姿勢と腰痛の関係について

現代社会では、デスクワークやスマートフォンの使用など、私たちの姿勢に影響を与える要素が増え続けています。その結果、肩こりや腰痛、膝痛といった慢性的な痛みに悩む方も少なくありません。しかし、なぜ姿勢がこれほどまでに健康や痛みに関わってくるのでしょうか?

実は、姿勢には理想的な整列が存在し、それが崩れると身体の各部位に不均一な負荷がかかり、筋肉や関節に過度のストレスを引き起こします。

理想的な姿勢や姿勢の種類については、前回の投稿にて説明しておりますので、今回は腰痛との関係について投稿させていただきます。

目次

  1. ケンダルの姿勢分類
  2. 腰痛を生じやすい姿勢
  3. フラットバックが腰痛を生じやすい理由
  4. フラットバックを解消するエクサイズ
  5. まとめ

ケンダルの姿勢分類

ケンダルの姿勢分類では、姿勢タイプをロードシス、カイホロードシス、フラットバック、スウェイバックの4つに分類しています。これらは骨盤や脊椎のカーブに基づいており、姿勢の特徴を把握するためにリハビリテーション分野だけはなく、整体やアスレチックトレーニング、ピラティスなど様々な分野で活用されています。

引用改変:Kendall's Muscles: Testing and Function with Posture and Pain

 図のイラストは左から順に、理想的な姿勢、カイホロードシス、フラットバック、スウェイバックの姿勢を表しています。それぞれの姿勢の特徴については前回の投稿をご確認下さい。

今回は、この姿勢分類をもとに痛みとの関連について詳しく説明していきます。

腰痛を生じやすい姿勢

2012年に投稿された論文にはなりますが、異なる姿勢タイプや性格特性が痛みの発生率にどのように影響するかについて研究しています。

引用:Intricate Correlation between Body Posture, Personality Trait and Incidence of Body Pain: A Cross-Referential Study Report

グラフに関しては、姿勢別で痛みの程度を表しており、PostureA:理想的な姿勢 、B:カイホロードシス、C:フラットバック、D:スウェイバックとなっております。腰(Lumbr)の部分に関して、全体的に痛みの程度が強いですが、その中でも特にフラットバック(C)の痛みが強いことがわかるかと思います。

フラットバックに関しては、背中が真っすぐで一見いい姿勢に思えますが、私の経験上も首や肩の痛みを訴える方が多い印象があります。

では、どうしてフラットバックの姿勢は痛みが強いのか?を解説をしていきます。

フラットバックが腰痛を生じやすい理由

背骨はもともと S 字の形状となっており、それぞれの部位に弯曲角度があります。

このS字カーブは頭部や内臓の重さに対して負荷を分散するメリットがあります。また、S字構造はバネの役割を果たしており、床からの衝撃も分散出来る構造となっております。

フラットバックはこの弯曲角度が、平坦化しているような状態になっております。特に腰椎の前弯が減少することで、腰背部の筋肉が伸ばされ続けた状態になるため、腰痛が生じやすいのではないかと推測されております。

また、腰椎の前弯が減少することで腰椎椎間板ヘルニアなどのリスクも増加する可能性があります。

フラットバックを解消するエクサイズ

フラットバックは骨盤が後傾しているため、腰椎を前弯させようとするのが理想ですが、部分的な腰椎の前弯は腰痛を誘発しかねないので、まずは後弯にて筋肉の硬さや長さを作るように意識しております。

ポイントはお尻の出っ張った骨(坐骨)に圧をかけながら、ゆっくり動かします。

運動中は前方を見ながら、姿勢が変化しても視線を変えないよう意識してみてください。

筋肉を鍛えるというより、腰の動きを引き出す運動になります。鏡や動画を撮影しながら、綺麗な姿勢で滑らかに動けているかを確認しましょう。

まとめ

フラットバックに限らず、脊柱の可動性が乏しいと腰や首などの痛みが生じやすくなります。

腰椎や胸椎の前後弯運動は綺麗な姿勢を保ったり、体をしなやかに動かすには重要な運動となりますので、是非皆さんも試してみてください。

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