姿勢の種類について
私たちは日々、無意識に「姿勢」を保ちながら生活しています。しかし、その姿勢が体に与える影響について、深く考えることは少ないかもしれません。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、運動不足など、現代の生活スタイルは私たちの姿勢に少なからぬ影響を与えています。不良姿勢は、肩こりや腰痛、慢性的な疲労を引き起こすだけでなく、体全体のバランスを崩し、さまざまな健康問題を招くことがあります。
では、正しい姿勢とはどのようなものでしょうか?
そして、自分の姿勢を改善するためにはどのようなアプローチが必要なのでしょうか?
この記事では、理想的な姿勢とは何かを解説し、さまざまな姿勢タイプについてもご紹介します。姿勢を見直すことで、体の調子を整え、健康的な毎日を送るための第一歩を踏み出しましょう。
目次
理想の姿勢は?
まず、姿勢をチェックする際に見るポイントですが、私の場合、横から見ると①脊柱(背骨)の弯曲具合、②骨盤の位置・傾き、③頭の位置などを確認します。
具体的には、頭部が真っ直ぐで、耳・肩・腰・膝・足首が一直線に並ぶことが理想的な姿勢と言われております。
その際、背骨はS字を呈しており、骨盤は少し前方に傾いております。
この姿勢では、筋肉が過度に引っ張られることがなく、全身の筋肉や関節に均等に負荷がかかります。
また、正しい姿勢は、疲れにくく、呼吸が深くなり、身体機能を最適に保つことにもつながります。
姿勢の種類
引用改変:Kendall's Muscles: Testing and Function with Posture and Pain
ケンダルの姿勢分類に基づく日本における研究では、姿勢タイプをロードシス、カイホロードシス、フラットバック、スウェイバックの4つに分類しています。これらは骨盤や脊椎のカーブに基づいており、姿勢の特徴を把握するためにリハビリテーション分野だけはなく、整体やアスレチックトレーニング、ピラティスなど様々な分野で活用されています。
それでは、各姿勢についてもう少し細かく説明させていただきます。
1.カイホロードシス
カイホロードシスは、Kyphosis:胸椎の過剰な後弯(kyphosis:円背)と、腰椎の過剰な前弯(lordosis:反り腰)が同時に見られる姿勢です。この姿勢では、背中が丸まり、腰が強く反るため、骨盤が前に傾いていることが特徴です。
また、胸椎の過度な後弯によって肩が前に出ているように見えることも特徴です。
トレーニングでは腹筋や殿筋以外にも肩甲骨周囲の筋肉(僧帽筋や菱形筋など)も鍛えると理想的な姿勢につながりやすくなります。
2.フラットバック
フラットバック姿勢は、腰椎の自然な前弯(反り)が失われ、脊柱がほぼ直線的に見える状態を指します。一見いい姿勢に見えますが、腰のカーブが減少するため、骨盤が後傾位になったり、頭が前方に位置するなど全身のバランスが崩れやすく、腰痛や肩こりなどが生じやすい姿勢です。
腰椎の前弯を作ることで骨盤の後傾や頭部の位置は改善することが多いですが、脊柱の可動性が乏しい方がいるので、骨盤の後傾運動も実施し、脊柱の可動性を引き出しつつ、股関節屈筋・脊柱起立筋を賦活することも大切なポイントです。
3.スウェイバック
スウェイバック姿勢は、骨盤が前方に移動し、上半身が後方に傾く姿勢です。腰椎は平坦になり、骨盤はニュートラルまたは後傾状態になります。この姿勢では、膝や股関節が過伸展しやすく、腰や背中に負担がかかります。
上半身が後方に傾斜するため、それを止めようと太ももの前(大腿四頭筋や股関節屈筋筋群)が伸張されたままになっていることが多いです。小学生や中学生にも多い姿勢不良のため、オスグットにもつながりやすい姿勢です。下腹部や股関節の屈筋を鍛え、骨盤の位置を整えることが大切になります。
以上が、今回お伝えする姿勢の種類ですが、他にもいくつか姿勢の種類がありますし、程度も個人差があるため、参考程度にしていただければと思います。
まとめ
姿勢は私たちの日常生活に大きな影響を与える要素です。理想的な姿勢を維持することで、疲労や痛みを軽減し、全身のバランスを保つことができます。
しかし、現代の生活習慣は、不良姿勢を引き起こしやすく、体に悪影響を及ぼすことが多いため、自分の姿勢を定期的にチェックし、必要に応じて矯正することが重要です。
正しい姿勢を保つためには、日常のエクササイズやストレッチも役立ちます。姿勢の改善は、健康的な体を作るための第一歩です。
姿勢に関しては、体幹や殿筋、肩甲帯などの筋肉をトレーニングすると効果が得られやすくなっております。
整体やマッサージで凝り固まった筋肉をほぐすことも大切ですが、プランクなどのトレーニングが有効です。
以前にプランクについても投稿しておりますので、是非参考にしてみてください!
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